1月1日は神の母の祝日。マリア讃歌を一つ紹介します。
実はこの曲は、ラテン語の原曲はマリアへの祈りですが、各国語の歌詞では別の内容となっています。プロテスタントによるドイツ語歌詞ではクリスマス・ソング"O du fröhliche"、英語歌詞では閉祭の歌"Lord, Dismiss Us With Thy Blessing"、さらにはアメリカのプロテスト・ソング"We Shall Overcome"になり、日本ではプロテスタントの「勝利を望み」(『讃美歌21』471)として訳されています。
言語と歌詞が違うと、まったく違った味わいの曲となりますが、シチリアで生まれたと言われている旋律は元の歌詞で鑑賞すると、どのマリア讃歌もそうであるように、たいへん美しいものであることがわかります。
O sanctissima, o piissima,
dulcis Virgo Maria!
Mater amata, intemerata,
ora, ora pro nobis.
Tu solatium et refugium,
Virgo Mater Maria.
Quidquid optamus, per te speramus;
ora, ora pro nobis.
Ecce debiles, perquam flebiles;
salva nos, o Maria!
Tolle languores, sana dolores;
ora, ora pro nobis.
Virgo, respice, Mater, aspice;
audi nos, o Maria!
Tu medicinam portas divinam;
ora, ora pro nobis.
この上なく清らかで、この上なく慈しみ深い方、
愛しいおとめマリア
愛された母、汚れなき母よ、
われらのために祈りたまえ、祈りたまえ
慰めにして逃れ場
おとめにして御母マリア
どんな願いも、あなたの取り次ぎで望む
われらのために祈りたまえ、祈りたまえ
弱くて涙にくれる
われらを救いたまえ、マリアよ、
疲れを消し去り、悲しみを癒したまえ
われらのために祈りたまえ、祈りたまえ
おとめよ、顧みたまえ、御母よ、見守りたまえ
われらの声に耳を傾けたまえ、マリアよ
あなたは神の薬を届けてくださる
われらのために祈りたまえ、祈りたまえ
(私訳)